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冠を持つ神の手二次創作ブログ。主に双子。とりあえず双子。ネタバレ注意。
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外出て見て来ました。2つくらいしか見れなかったけど感動半端ないです。
多分人生で初めて見る生流れ星。願う暇を与えないお星さま。

そしてSSです。わりと短い。結構短い。

・読みにくいです。なんか色々間違ってるかもしれない。
・『リリアノ愛情B』END後のSSです。
・メインはレハトです。しゃべるよー
・雰囲気で読んでください。雰囲気で。

では続きへどうぞー!



「リリアノは笑わないね」

前を歩く彼女に、私は海を見下ろしながら一言そう告げた。
リリアノは立ち止まり、そっと振り向いて、私を真っ直ぐに見据えた。

「何を言っておる。・・・げんに、今笑っておろうに。」

海から目を離し、代わりにリリアノへと移す。
確かに、リリアノは微笑んでいる。
柔らかい、優しい、いつもの笑みを、私に見せている。
けれど。

「リリアノの笑いは、なんだか、何かとどろどろにかき混ぜられているようだ」

そう言葉を続けると、リリアノは笑みを消した。
そして、疑問を浮かべているような、不愉快さを現すような、心底悩んでいるような、妙な顔になった。
しばらくそんな様子でいるリリアノの、次の言葉を辛抱強く待つ。

「・・・そうだな。お主の言っている事の方が、正しいのかもしれない。」

それだけ言って、また前を向いて歩き出した。
私は、まだ歩き出せずにいた。

彼女は笑わない。
きっと、これからも。

「ねえ、リリアノ。こっち来て。」

「・・・。」

リリアノは呆れた様子で再度振り向き、こちらに近寄ってくる。
私の前にぴんと立ったリリアノを、じいっと見つめる。
そして、そっと顔を近づけ、額を、徴を重ねる。

もう、あと少しで身長も追いつくほどに成長した。
今まではかがむように告げないと出来なかったというのに、易々と、この行為を出来るようになった。
それは嬉しい事なはずなのに、何故だか少し胸が苦しい。

静かに顔を離すと、リリアノはしばらく私を見つめた後、にこりと笑った。
いつもの微笑み。
そして、また歩き出してしまう。
私の前を、振り向きもせずに、ただひたすらに歩いていってしまう。


「お主のようになりたいよ」


リリアノの呟きは、波の音によって本当に微かなものになって、私の耳には殆ど届かなかった。
聞き返すことも躊躇われ、何も言わずその背についてゆく。

二つの足音が海岸に響く。




きっと、やがて一つになる。




 

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